新学期そして新図書室完成式典
9月になりました。
モンゴルはもう秋です。
隊員の中でも「パール(暖房設備)はいつ入るかねぇ」なんて話もしています。
さて、モンゴルの新学期は9月1日からです。
思えば、1年前この新学期に着任の挨拶をして、サックスなんか吹いたっけ…
今年も似た様な式をやりました。
が!去年と明らかに違う…何かが。
そう、心の余裕が。
先生たちと会うと「久しぶり!」「元気だった?」
と笑顔で挨拶を交わしました。
子供達からも「Аки багшаа!」と元気よく呼びかけられました。
自分の居場所があることにホッとします。
式の進行や1日の見通し…etc.
色々なことが想定内のことで、1年目と2年目の差を感じました。
カウンターパートからは
「明日(土曜日)新しい図書室の開室式典をやるから来なさい」
と言われ…
土曜日
テレビ局の取材が来ていて、かなり大掛かりな感じです。
それにしても、この図書室
夏休みの期間を使って、整備したそうです。すごい…
図書室の入り口には、モンゴル語、ロシア語、英語、日本語、中国語で書かれた部屋のパネルがあります。かなり国際色豊かな図書室になってます。
なんだか偉そうな人がわんさか…
わんさか…
これは、先生たちが昨年行った授業の指導案集
かなり分厚い充実した内容になっています。
いや、ここまでやれるモンゴルの先生たちを尊敬します。
そして、ますます自分のやるべきことは???となりますね。
そして、テープカット
この上に書かれている言葉がなかなかイカします。
「本とは、空の様に大きく、世界の様に広く、海の様に深い。本を読むことは、空を飛び、世界を旅し、海に浮かぶようなものだ」
誰かの言葉なのでしょうか。(海に潜るじゃないんだ…)
古代エジプト時代、プトレマイオス1性によって建てられたアレクサンドリア図書館を思い出します。
世界中の本を集めることを目的とされた、その図書館はさながら世界の知識が詰まった宝庫だっただろうと思います。
図書館はそうした、知的欲求を満たす場なんだなと改めて感じました。
最後に学校の校長先生が「私はこの学校で40年間校長をしていますが、念願の図書館を手にいれることができた」と言っていた言葉が印象的でした。
図書館…あぁ、図書館。
新たな知への出会いに図書館へいこう!!
モンゴル紀行:フブスグル湖
いよいよモンゴル紀行も最後になりました。
(ということは、モンゴルの夏休みも終わりということです…)
今回は、モンゴル人が口を揃えて「あそこは最高な場所だ!」という場所。
モンゴルの保養地として有名な場所。
フブスグル湖です。
フブスグル湖とは?
「世界で2番目に透明度が高い湖なんだ!(1番はバイカル湖)」
「モンゴル人は尊敬を込めてフブスグル・ダライ(海)と呼んでいる」
などと聞いていましたが、本当に綺麗な湖でした。
しかも、世界でも20箇所くらいしか存在しない古代湖(10万年以上存続している湖)らしいですね。
(ちなみに、日本では琵琶湖がそうらしい)
フブスグル湖に到着した時の第一印象は「なんか日本の湖畔の避暑地みたい」
やっぱり、そういう場所は似るのもなのでしょうか。
観光に来ているモンゴル人も沢山いました。
湖を遊覧する船もありました。
水が本当に透明で、船に乗ったら湖の底が見えて綺麗なんだろうなぁ。
(船には乗らなかった)
モンゴル人オススメのゲルキャンプに宿泊
賑わっている場所から、さらに車で40分ほどのところにあるゲルキャンプに宿泊しました。
目の前は、フブスグル湖です。
しかも…
色の濃淡が分かれていて、なんじゃこりゃ!
って感じで綺麗な景色です。
あいにく、天気が良くなく…
でも乗馬したいということで、近くの遊牧民の馬を借りて乗馬です。
すごく反応がいい馬で、すぐに走り出してしまう馬でした。
ある意味、慣れればとても楽しい!
やっぱり、大自然の中を乗馬できる環境はモンゴルならではです。
これだけ綺麗な湖なので、魚ももちろんいます。
なので、フブスグル名物(?)の魚のホーショールを期待していたけれども、最近食中毒が出てしまったらしく、お店では買えない…
でも「せっかくだから…」と一緒に行った、料理隊員のCP(カウンターパート)のモンゴル人が手間と時間をかけて、魚のホーショールを作ってくれました!!
今まで食べたホーショールの中で一番美味しかったです。
やっぱり、ホーショールの中身を変えるだけで全然違うな!違うな!!
このフブスグルにはツァータンと呼ばれる人々がいます。
ツァーはモンゴル語でトナカイ。
つまり、トナカイの牧民という感じです。
ゲルもモンゴル式とはちょっと違って、ザ・テントって感じです。
真冬の極寒期でも、このテントに住んでいるらしく結構快適らしいです。
(本当かなぁ…)
最後に
「フブスグルはとても綺麗なところだ!」と聞いていましたが、本当に綺麗なところでした。冬のフブスグル湖は一面氷になり、透明度が高いので湖の中が見えるそうです。
帰国する間際、3月に氷祭りがあるそうなので時間があったらぜひ訪れてみたい。
モンゴル紀行:ウルギー
モンゴルの面積は日本の4倍ほどあるそうです。
しかし、日本のように新幹線があるわけではなく…主な交通手段はバス!!
(飛行機もあるけれど、高い!)
今回行った場所は、モンゴルの西端にあるウルギーです。
この地方はモンゴルの中でも面白い場所です。
それは、カザフ族と呼ばれる民族が住んでいる場所なのです。
48時間のバス移動
ウルギーに行く場合は、長距離バスと飛行機で行く方法があります。
「せっかくモンゴルにいるんだから、日本ではできないことをしよう」
と同期と盛り上がり、長距離バスで行くことにしました。
以前に行った人の話によると、乗車時間は…48時間!!
ウランバートルの長距離バス乗り場から、ウルギー行きのバスに乗ります。
一体どれだけ食料を買って行けばわかりませんでしたが、「やっぱり移動にはおにぎりだろう」ということでおにぎりを大量に握って、いざバスへ…
バスはひたすらウルギーを目指して走ります。
2日目の朝、目をさますと周りは一面何もない大地でした。。
歯を磨きたかったけれど、預け荷物に入れていて取り出せず…(涙
途中でバスのタイヤを交換してたり。
(そりゃ、この道を走っているんだから、そうなるわぁ)
砂埃を巻き上げながら、走ってくれているバス。
ほんと、すごいです。
この大陸をバスで走っている感じ、まさに「深夜特急」の世界!!
そして、早めに目的地に着きました。(計40時間くらい)
ウルギー文化
泊まったゲルキャンプ
やっぱり、ゲルの形も微妙に違います。
ゲルの中には、カザフ刺繍
(全部手作りらしい)
街の中には、モスクも点在していました。
カザフ族の遊牧民のお宅訪問
街からさらに5,6時間かけて遊牧民のゲルに向かいます。
ロシア製の乗り心地最悪な車に乗って行きました。
到着した場所は、山に囲まれた美しい場所でした。
近くに綺麗な川が流れていて、そこで顔を洗ったりビールを冷やしたりします。
「飲んでも全然平気だよ」と言われたけれど…
ゲルの前ではアーロールを作っていました。
寒くなる前に、こうして保存食を作るそうです。
ゲルの中では、いろいろな物を出してくれおもてなしをしてくれます。
東京オリンピックに向けて日本でも「おもてなし」なんて言われていますが、おもてなし文化なんて日本の専売特許じゃないよなぁ。それアピールするって…
なんて、思ったりもしました。それくらい、全く知らない外国人(私たち)をカザフの家族は迎え入れてくれました。
これは、牛糞が乾燥した物を燃料として使っているところです。
家の周りには、家畜がたくさんいて、その分糞もたくさん落ちています。
乾燥した糞を一箇所に置いて、必要な時にそれを持ってくる(子供の仕事)
家畜を育てて、その乳から保存食を作り、老いた家畜の肉を喰らい、毛皮は被服としての材料になり、糞までも燃料として使う。
何てエコな、自然循環された生活何だろうと感心してしまいます。
そして糞はよく燃えるのです(笑
子供達もよく働きます。
家畜の搾乳作業や、アーロールの管理…
そうすることが当たり前かのように働きます。
自分たちが朝起きたら、すでに子供達は外に出て家畜の世話や搾乳をしていました。
それが、生活の一部なんだろうと思います。むしろ、働くということが生きるためという当たり前のことを思い出させてくれました。
ナーダム
モンゴルの夏の大イベント
それは、ナーダムです。
ちょうどその時期にウルギーに来ていたので、ウルギーのナーダムを見に行くことにしました。馬に乗ってナーダムの会場まで向かいます。
会場に到着。
田舎のナーダムなので、さながら町内の運動会みたいな雰囲気です。
間近で見られるモンゴル相撲。
ギャラリーもヤンヤヤンヤと盛り上がっています。
相撲というより、レスリングに近い感じでした。
とにかく、相手を地面に倒したら勝ちというシンプルなルール。
少し離れた場所では、競馬が行われていました。
めっちゃ遠くからスタートして、はやくゴールした人が勝ちというシンプルなルールです。
ただし、このモンゴルの競馬は騎手が子供。
最近首都では、安全性を考えてプロテクターやヘルメット着用が義務付けられてるみたいですが、田舎なのでそこらへんはゆるい感じです。
ゴール付近では、大人たちが遠くを見て「おぉ、来たぞ!」と言っているけれど、自分には全然見えない。視力が恐ろしいほど良いモンゴル人あるあるを体験しました。
ナーダム会場で、とある老人に声をかけられました。
「外国人か?俺の家は近くで、カザフの楽器ドンブラを聴かせてあげるから、ぜひ遊びに来い」とのこと。
怪しさ満点でしたが、泊まっているゲルの遊牧民も知っている人だということで、家に寄らせてもらいました。
ここでも、最大限のおもてなしを受けながら、ドンブラを聴かせてもらいました。
モンゴル語とは違う響の歌(カザフ語)でとても、新鮮です。
帰る間際になり、なんとカザフの帽子をいただきました。
「今日は来てくれてありがとう。嬉しかった。私のこと、私の家族のことを忘れないでほしい」と言われ別れました。
最後に
誰だかも知らない外国人(私たち)をカザフの人たちは、本当に手厚くもてなしてくれました。そのことは決して忘れたくない思い出です。
そして、モンゴル文化だけではなくこうしてカザフの文化に触れることができ、とても有意義な旅でした。
まだまだ世界には知らないことがたくさんあって、少しでも多くのことを知りたい。そして、旅の楽しさは人との出会いだなぁ。そんなことを思わせてくれる旅でした。
モンゴル紀行:ハルハゴル
モンゴルでの夏休みは、国内を色々と回ることができています。
今回は、任地でもあるドルノド県にある「ハルハゴル」へ行きます。
モンゴルの東の端でもあり、日本とモンゴル・ロシアが戦争をした「ノモハン事件」があった場所でもあります。
そして、何と今回は同任地の理学療法士隊員の同僚(モンゴル人)たちと行けることになりました。
モンゴル人の夏休み旅行を体験します。
「草原の海」
チョイバルサンから出発して、20分ほど走るともうそこは舗装がされていない草原の道になっていました。
椎名誠さんがモンゴルの草原のことを「草原の海」と表現したそうですが、まさにその言葉がぴったりな雰囲気です。
見渡す限り同じような大地をひたすら車で走ります。
なので、ガソリンや水は死活問題!!
(車のガソリンが無くなりそうになり、ハラハラしました 笑)
遠くの方に煙が見えました。
近づいて見ると…
草原火事です。
乾燥しているので、あっという間に燃えてしまうのでしょう。
しかも、消火している様子はなく、燃え尽きるまで待つのだろうか…
ちなみに、この焼け野原。東京の江戸川区くらいの大きさがあるんじゃないか?
と思うほど広範囲に渡って焼けていました。
チョイバルサンから車で走ること4時間ほど…
やっと人工物的なものがありました。
ここは、何と石油を掘り出している地区らしく「21番地区」と呼んでいました。
しかし、石油を掘り出している企業は中国の企業らしく、掘った油は全部中国に運んでしまっているそうです。
その事実をモンゴルの行政は知っているのかどうか…。闇がありそうです。。
ゲルキャンプ地には夜に到着。
本来の目的地だったかどうかは定かではありませんが、とりあえず寝る場所があって一安心です。
ハルハゴルの観光
ハルハゴルとはモンゴル語で「ハルハの川」という意味です。
なので、川があります。
その近くには小さな村があり、周りには色々と観光スポットっぽい場所が点在しています。
斜面に作られた石仏
戦争時に使われたであろう、戦車のモニュメント
戦没者の墓にあった慰霊碑的なもの
モンゴル軍とロシア軍が力を合わせて日本軍を追い払ったことを記念する戦勝記念塔
いかにもな博物館
その外に雨ざらしで置かれている、戦争で使ったであろう兵器
多分戦争当時に使われた車?
1日かけて点在する観光スポットを回りました。
ノモハン事件は、日本の歴史の教科書ではほんの数行の説明で終わってしまう内容ですが、こうして現地に来て見ると(一体何が起きたんだろう…)と深く知りたくなりました。
お風呂
ゲルキャンプには3泊しました。
モンゴル人から「ゲルキャンプにシャワーやお風呂があるからね」と言われていましたが、施設の中には見当たらない…
一体どこなんだろう?
実はゲルキャンプ地から歩いて5分ほどのところに湖があり、そこのことを言っていたのでした。
海かと見間違えるくらいの湖「ボイルノール」
暑い日は、この湖に入って汗を流しました。
ただ、曇っていたりすると若干寒い気も…
最後に
本当に草原しかなく、地平線を目指してひたすら車で走り続けた経験はモンゴルならではの旅でした。
また、一緒に行ったモンゴル人たちはとても親切にしてくれて、本当に感謝×2です。
ただ、あの凸凹した道を6、7時間車に乗ることを考えると大変だったなぁ(笑
モンゴル紀行:ハラホリン おまけ
前回の続き
なんと、モンゴルにも温泉がありました!!
ツェンヘル:モンゴルの温泉街
お世話になった遊牧民を後にして、車で走ることさらに6時間ほど…
(モンゴルはとにかく移動時間がかかります)
目的のゲルキャンプに着きました。
昨日までの遊牧民のゲルに比べたら天国のような場所です。
なぜなら…
温泉があるからです!!
ちゃんとHOT SPA HOUSEと書いてありますね。
そして…
若干、硫黄の匂いがする無色透明な温泉です。
温度は少し熱め。
外国の風呂なので、水着着用(下着で入りましたが)です。
でも、こうした温泉があるなんて!
浴槽はもちろんシャワーすらなかった日を何日も過ごした後の温泉は、まさに天国でした。
一緒に入っていた外国人も「Heaven...」とつぶやいていましたよ。(わかる!!)
源泉も近くにありましたよ。
露天風呂から見える景色も最高です。
カナダとドイツから来たという外人さんは「こうした自然を味わいに来たんだよ」と言っていました。
観光スポットをせわしなく回る日本人の旅行とは、根本的に何か違う味わい方をしている気がしました。
そして、風呂上がりに一杯。
ハラホリンの街へ戻る
街へ戻る途中、この6日間ずっと運転をしてくれていたモンゴル人の実家(ゲル)にお邪魔してお昼をご馳走になりました。
馬頭琴が上手な甥っ子さんがいたので演奏してもらいました。
上手!!
エルデニーゾーというお寺。
モンゴル語のガイドをつけてもらいましたが、めっちゃ聞き取りにくい男の人で撃沈しました。。
でもチベット仏教の仏像や宗教画が見られて勉強になりました。
街中にある博物館。
なんと、JICAの協力のもと作られた博物館らしいです。
日本語のガイドもありますし、展示の仕方が上手い。
やっぱり、博物館のデザインにも技術があるんだなぁと感心しました。
最後に
ハラホリンの歴史はまさに、モンゴル帝国の歴史でもありました。
最盛期には世界中の人々が暮らし、イスラム教徒も暮らしていたそう。
かなりレベルの高い国際都市だったそうです。
そうした歴史を知ることで、現代にも生かせる部分が絶対あるはずだと思います。