モンゴル紀行:ウルギー
モンゴルの面積は日本の4倍ほどあるそうです。
しかし、日本のように新幹線があるわけではなく…主な交通手段はバス!!
(飛行機もあるけれど、高い!)
今回行った場所は、モンゴルの西端にあるウルギーです。
この地方はモンゴルの中でも面白い場所です。
それは、カザフ族と呼ばれる民族が住んでいる場所なのです。
48時間のバス移動
ウルギーに行く場合は、長距離バスと飛行機で行く方法があります。
「せっかくモンゴルにいるんだから、日本ではできないことをしよう」
と同期と盛り上がり、長距離バスで行くことにしました。
以前に行った人の話によると、乗車時間は…48時間!!
ウランバートルの長距離バス乗り場から、ウルギー行きのバスに乗ります。
一体どれだけ食料を買って行けばわかりませんでしたが、「やっぱり移動にはおにぎりだろう」ということでおにぎりを大量に握って、いざバスへ…
バスはひたすらウルギーを目指して走ります。
2日目の朝、目をさますと周りは一面何もない大地でした。。
歯を磨きたかったけれど、預け荷物に入れていて取り出せず…(涙
途中でバスのタイヤを交換してたり。
(そりゃ、この道を走っているんだから、そうなるわぁ)
砂埃を巻き上げながら、走ってくれているバス。
ほんと、すごいです。
この大陸をバスで走っている感じ、まさに「深夜特急」の世界!!
そして、早めに目的地に着きました。(計40時間くらい)
ウルギー文化
泊まったゲルキャンプ
やっぱり、ゲルの形も微妙に違います。
ゲルの中には、カザフ刺繍
(全部手作りらしい)
街の中には、モスクも点在していました。
カザフ族の遊牧民のお宅訪問
街からさらに5,6時間かけて遊牧民のゲルに向かいます。
ロシア製の乗り心地最悪な車に乗って行きました。
到着した場所は、山に囲まれた美しい場所でした。
近くに綺麗な川が流れていて、そこで顔を洗ったりビールを冷やしたりします。
「飲んでも全然平気だよ」と言われたけれど…
ゲルの前ではアーロールを作っていました。
寒くなる前に、こうして保存食を作るそうです。
ゲルの中では、いろいろな物を出してくれおもてなしをしてくれます。
東京オリンピックに向けて日本でも「おもてなし」なんて言われていますが、おもてなし文化なんて日本の専売特許じゃないよなぁ。それアピールするって…
なんて、思ったりもしました。それくらい、全く知らない外国人(私たち)をカザフの家族は迎え入れてくれました。
これは、牛糞が乾燥した物を燃料として使っているところです。
家の周りには、家畜がたくさんいて、その分糞もたくさん落ちています。
乾燥した糞を一箇所に置いて、必要な時にそれを持ってくる(子供の仕事)
家畜を育てて、その乳から保存食を作り、老いた家畜の肉を喰らい、毛皮は被服としての材料になり、糞までも燃料として使う。
何てエコな、自然循環された生活何だろうと感心してしまいます。
そして糞はよく燃えるのです(笑
子供達もよく働きます。
家畜の搾乳作業や、アーロールの管理…
そうすることが当たり前かのように働きます。
自分たちが朝起きたら、すでに子供達は外に出て家畜の世話や搾乳をしていました。
それが、生活の一部なんだろうと思います。むしろ、働くということが生きるためという当たり前のことを思い出させてくれました。
ナーダム
モンゴルの夏の大イベント
それは、ナーダムです。
ちょうどその時期にウルギーに来ていたので、ウルギーのナーダムを見に行くことにしました。馬に乗ってナーダムの会場まで向かいます。
会場に到着。
田舎のナーダムなので、さながら町内の運動会みたいな雰囲気です。
間近で見られるモンゴル相撲。
ギャラリーもヤンヤヤンヤと盛り上がっています。
相撲というより、レスリングに近い感じでした。
とにかく、相手を地面に倒したら勝ちというシンプルなルール。
少し離れた場所では、競馬が行われていました。
めっちゃ遠くからスタートして、はやくゴールした人が勝ちというシンプルなルールです。
ただし、このモンゴルの競馬は騎手が子供。
最近首都では、安全性を考えてプロテクターやヘルメット着用が義務付けられてるみたいですが、田舎なのでそこらへんはゆるい感じです。
ゴール付近では、大人たちが遠くを見て「おぉ、来たぞ!」と言っているけれど、自分には全然見えない。視力が恐ろしいほど良いモンゴル人あるあるを体験しました。
ナーダム会場で、とある老人に声をかけられました。
「外国人か?俺の家は近くで、カザフの楽器ドンブラを聴かせてあげるから、ぜひ遊びに来い」とのこと。
怪しさ満点でしたが、泊まっているゲルの遊牧民も知っている人だということで、家に寄らせてもらいました。
ここでも、最大限のおもてなしを受けながら、ドンブラを聴かせてもらいました。
モンゴル語とは違う響の歌(カザフ語)でとても、新鮮です。
帰る間際になり、なんとカザフの帽子をいただきました。
「今日は来てくれてありがとう。嬉しかった。私のこと、私の家族のことを忘れないでほしい」と言われ別れました。
最後に
誰だかも知らない外国人(私たち)をカザフの人たちは、本当に手厚くもてなしてくれました。そのことは決して忘れたくない思い出です。
そして、モンゴル文化だけではなくこうしてカザフの文化に触れることができ、とても有意義な旅でした。
まだまだ世界には知らないことがたくさんあって、少しでも多くのことを知りたい。そして、旅の楽しさは人との出会いだなぁ。そんなことを思わせてくれる旅でした。