モンゴル紀行:フブスグル湖
いよいよモンゴル紀行も最後になりました。
(ということは、モンゴルの夏休みも終わりということです…)
今回は、モンゴル人が口を揃えて「あそこは最高な場所だ!」という場所。
モンゴルの保養地として有名な場所。
フブスグル湖です。
フブスグル湖とは?
「世界で2番目に透明度が高い湖なんだ!(1番はバイカル湖)」
「モンゴル人は尊敬を込めてフブスグル・ダライ(海)と呼んでいる」
などと聞いていましたが、本当に綺麗な湖でした。
しかも、世界でも20箇所くらいしか存在しない古代湖(10万年以上存続している湖)らしいですね。
(ちなみに、日本では琵琶湖がそうらしい)
フブスグル湖に到着した時の第一印象は「なんか日本の湖畔の避暑地みたい」
やっぱり、そういう場所は似るのもなのでしょうか。
観光に来ているモンゴル人も沢山いました。
湖を遊覧する船もありました。
水が本当に透明で、船に乗ったら湖の底が見えて綺麗なんだろうなぁ。
(船には乗らなかった)
モンゴル人オススメのゲルキャンプに宿泊
賑わっている場所から、さらに車で40分ほどのところにあるゲルキャンプに宿泊しました。
目の前は、フブスグル湖です。
しかも…
色の濃淡が分かれていて、なんじゃこりゃ!
って感じで綺麗な景色です。
あいにく、天気が良くなく…
でも乗馬したいということで、近くの遊牧民の馬を借りて乗馬です。
すごく反応がいい馬で、すぐに走り出してしまう馬でした。
ある意味、慣れればとても楽しい!
やっぱり、大自然の中を乗馬できる環境はモンゴルならではです。
これだけ綺麗な湖なので、魚ももちろんいます。
なので、フブスグル名物(?)の魚のホーショールを期待していたけれども、最近食中毒が出てしまったらしく、お店では買えない…
でも「せっかくだから…」と一緒に行った、料理隊員のCP(カウンターパート)のモンゴル人が手間と時間をかけて、魚のホーショールを作ってくれました!!
今まで食べたホーショールの中で一番美味しかったです。
やっぱり、ホーショールの中身を変えるだけで全然違うな!違うな!!
このフブスグルにはツァータンと呼ばれる人々がいます。
ツァーはモンゴル語でトナカイ。
つまり、トナカイの牧民という感じです。
ゲルもモンゴル式とはちょっと違って、ザ・テントって感じです。
真冬の極寒期でも、このテントに住んでいるらしく結構快適らしいです。
(本当かなぁ…)
最後に
「フブスグルはとても綺麗なところだ!」と聞いていましたが、本当に綺麗なところでした。冬のフブスグル湖は一面氷になり、透明度が高いので湖の中が見えるそうです。
帰国する間際、3月に氷祭りがあるそうなので時間があったらぜひ訪れてみたい。
モンゴル紀行:ウルギー
モンゴルの面積は日本の4倍ほどあるそうです。
しかし、日本のように新幹線があるわけではなく…主な交通手段はバス!!
(飛行機もあるけれど、高い!)
今回行った場所は、モンゴルの西端にあるウルギーです。
この地方はモンゴルの中でも面白い場所です。
それは、カザフ族と呼ばれる民族が住んでいる場所なのです。
48時間のバス移動
ウルギーに行く場合は、長距離バスと飛行機で行く方法があります。
「せっかくモンゴルにいるんだから、日本ではできないことをしよう」
と同期と盛り上がり、長距離バスで行くことにしました。
以前に行った人の話によると、乗車時間は…48時間!!
ウランバートルの長距離バス乗り場から、ウルギー行きのバスに乗ります。
一体どれだけ食料を買って行けばわかりませんでしたが、「やっぱり移動にはおにぎりだろう」ということでおにぎりを大量に握って、いざバスへ…
バスはひたすらウルギーを目指して走ります。
2日目の朝、目をさますと周りは一面何もない大地でした。。
歯を磨きたかったけれど、預け荷物に入れていて取り出せず…(涙
途中でバスのタイヤを交換してたり。
(そりゃ、この道を走っているんだから、そうなるわぁ)
砂埃を巻き上げながら、走ってくれているバス。
ほんと、すごいです。
この大陸をバスで走っている感じ、まさに「深夜特急」の世界!!
そして、早めに目的地に着きました。(計40時間くらい)
ウルギー文化
泊まったゲルキャンプ
やっぱり、ゲルの形も微妙に違います。
ゲルの中には、カザフ刺繍
(全部手作りらしい)
街の中には、モスクも点在していました。
カザフ族の遊牧民のお宅訪問
街からさらに5,6時間かけて遊牧民のゲルに向かいます。
ロシア製の乗り心地最悪な車に乗って行きました。
到着した場所は、山に囲まれた美しい場所でした。
近くに綺麗な川が流れていて、そこで顔を洗ったりビールを冷やしたりします。
「飲んでも全然平気だよ」と言われたけれど…
ゲルの前ではアーロールを作っていました。
寒くなる前に、こうして保存食を作るそうです。
ゲルの中では、いろいろな物を出してくれおもてなしをしてくれます。
東京オリンピックに向けて日本でも「おもてなし」なんて言われていますが、おもてなし文化なんて日本の専売特許じゃないよなぁ。それアピールするって…
なんて、思ったりもしました。それくらい、全く知らない外国人(私たち)をカザフの家族は迎え入れてくれました。
これは、牛糞が乾燥した物を燃料として使っているところです。
家の周りには、家畜がたくさんいて、その分糞もたくさん落ちています。
乾燥した糞を一箇所に置いて、必要な時にそれを持ってくる(子供の仕事)
家畜を育てて、その乳から保存食を作り、老いた家畜の肉を喰らい、毛皮は被服としての材料になり、糞までも燃料として使う。
何てエコな、自然循環された生活何だろうと感心してしまいます。
そして糞はよく燃えるのです(笑
子供達もよく働きます。
家畜の搾乳作業や、アーロールの管理…
そうすることが当たり前かのように働きます。
自分たちが朝起きたら、すでに子供達は外に出て家畜の世話や搾乳をしていました。
それが、生活の一部なんだろうと思います。むしろ、働くということが生きるためという当たり前のことを思い出させてくれました。
ナーダム
モンゴルの夏の大イベント
それは、ナーダムです。
ちょうどその時期にウルギーに来ていたので、ウルギーのナーダムを見に行くことにしました。馬に乗ってナーダムの会場まで向かいます。
会場に到着。
田舎のナーダムなので、さながら町内の運動会みたいな雰囲気です。
間近で見られるモンゴル相撲。
ギャラリーもヤンヤヤンヤと盛り上がっています。
相撲というより、レスリングに近い感じでした。
とにかく、相手を地面に倒したら勝ちというシンプルなルール。
少し離れた場所では、競馬が行われていました。
めっちゃ遠くからスタートして、はやくゴールした人が勝ちというシンプルなルールです。
ただし、このモンゴルの競馬は騎手が子供。
最近首都では、安全性を考えてプロテクターやヘルメット着用が義務付けられてるみたいですが、田舎なのでそこらへんはゆるい感じです。
ゴール付近では、大人たちが遠くを見て「おぉ、来たぞ!」と言っているけれど、自分には全然見えない。視力が恐ろしいほど良いモンゴル人あるあるを体験しました。
ナーダム会場で、とある老人に声をかけられました。
「外国人か?俺の家は近くで、カザフの楽器ドンブラを聴かせてあげるから、ぜひ遊びに来い」とのこと。
怪しさ満点でしたが、泊まっているゲルの遊牧民も知っている人だということで、家に寄らせてもらいました。
ここでも、最大限のおもてなしを受けながら、ドンブラを聴かせてもらいました。
モンゴル語とは違う響の歌(カザフ語)でとても、新鮮です。
帰る間際になり、なんとカザフの帽子をいただきました。
「今日は来てくれてありがとう。嬉しかった。私のこと、私の家族のことを忘れないでほしい」と言われ別れました。
最後に
誰だかも知らない外国人(私たち)をカザフの人たちは、本当に手厚くもてなしてくれました。そのことは決して忘れたくない思い出です。
そして、モンゴル文化だけではなくこうしてカザフの文化に触れることができ、とても有意義な旅でした。
まだまだ世界には知らないことがたくさんあって、少しでも多くのことを知りたい。そして、旅の楽しさは人との出会いだなぁ。そんなことを思わせてくれる旅でした。
モンゴル紀行:ハルハゴル
モンゴルでの夏休みは、国内を色々と回ることができています。
今回は、任地でもあるドルノド県にある「ハルハゴル」へ行きます。
モンゴルの東の端でもあり、日本とモンゴル・ロシアが戦争をした「ノモハン事件」があった場所でもあります。
そして、何と今回は同任地の理学療法士隊員の同僚(モンゴル人)たちと行けることになりました。
モンゴル人の夏休み旅行を体験します。
「草原の海」
チョイバルサンから出発して、20分ほど走るともうそこは舗装がされていない草原の道になっていました。
椎名誠さんがモンゴルの草原のことを「草原の海」と表現したそうですが、まさにその言葉がぴったりな雰囲気です。
見渡す限り同じような大地をひたすら車で走ります。
なので、ガソリンや水は死活問題!!
(車のガソリンが無くなりそうになり、ハラハラしました 笑)
遠くの方に煙が見えました。
近づいて見ると…
草原火事です。
乾燥しているので、あっという間に燃えてしまうのでしょう。
しかも、消火している様子はなく、燃え尽きるまで待つのだろうか…
ちなみに、この焼け野原。東京の江戸川区くらいの大きさがあるんじゃないか?
と思うほど広範囲に渡って焼けていました。
チョイバルサンから車で走ること4時間ほど…
やっと人工物的なものがありました。
ここは、何と石油を掘り出している地区らしく「21番地区」と呼んでいました。
しかし、石油を掘り出している企業は中国の企業らしく、掘った油は全部中国に運んでしまっているそうです。
その事実をモンゴルの行政は知っているのかどうか…。闇がありそうです。。
ゲルキャンプ地には夜に到着。
本来の目的地だったかどうかは定かではありませんが、とりあえず寝る場所があって一安心です。
ハルハゴルの観光
ハルハゴルとはモンゴル語で「ハルハの川」という意味です。
なので、川があります。
その近くには小さな村があり、周りには色々と観光スポットっぽい場所が点在しています。
斜面に作られた石仏
戦争時に使われたであろう、戦車のモニュメント
戦没者の墓にあった慰霊碑的なもの
モンゴル軍とロシア軍が力を合わせて日本軍を追い払ったことを記念する戦勝記念塔
いかにもな博物館
その外に雨ざらしで置かれている、戦争で使ったであろう兵器
多分戦争当時に使われた車?
1日かけて点在する観光スポットを回りました。
ノモハン事件は、日本の歴史の教科書ではほんの数行の説明で終わってしまう内容ですが、こうして現地に来て見ると(一体何が起きたんだろう…)と深く知りたくなりました。
お風呂
ゲルキャンプには3泊しました。
モンゴル人から「ゲルキャンプにシャワーやお風呂があるからね」と言われていましたが、施設の中には見当たらない…
一体どこなんだろう?
実はゲルキャンプ地から歩いて5分ほどのところに湖があり、そこのことを言っていたのでした。
海かと見間違えるくらいの湖「ボイルノール」
暑い日は、この湖に入って汗を流しました。
ただ、曇っていたりすると若干寒い気も…
最後に
本当に草原しかなく、地平線を目指してひたすら車で走り続けた経験はモンゴルならではの旅でした。
また、一緒に行ったモンゴル人たちはとても親切にしてくれて、本当に感謝×2です。
ただ、あの凸凹した道を6、7時間車に乗ることを考えると大変だったなぁ(笑
モンゴル紀行:ハラホリン おまけ
前回の続き
なんと、モンゴルにも温泉がありました!!
ツェンヘル:モンゴルの温泉街
お世話になった遊牧民を後にして、車で走ることさらに6時間ほど…
(モンゴルはとにかく移動時間がかかります)
目的のゲルキャンプに着きました。
昨日までの遊牧民のゲルに比べたら天国のような場所です。
なぜなら…
温泉があるからです!!
ちゃんとHOT SPA HOUSEと書いてありますね。
そして…
若干、硫黄の匂いがする無色透明な温泉です。
温度は少し熱め。
外国の風呂なので、水着着用(下着で入りましたが)です。
でも、こうした温泉があるなんて!
浴槽はもちろんシャワーすらなかった日を何日も過ごした後の温泉は、まさに天国でした。
一緒に入っていた外国人も「Heaven...」とつぶやいていましたよ。(わかる!!)
源泉も近くにありましたよ。
露天風呂から見える景色も最高です。
カナダとドイツから来たという外人さんは「こうした自然を味わいに来たんだよ」と言っていました。
観光スポットをせわしなく回る日本人の旅行とは、根本的に何か違う味わい方をしている気がしました。
そして、風呂上がりに一杯。
ハラホリンの街へ戻る
街へ戻る途中、この6日間ずっと運転をしてくれていたモンゴル人の実家(ゲル)にお邪魔してお昼をご馳走になりました。
馬頭琴が上手な甥っ子さんがいたので演奏してもらいました。
上手!!
エルデニーゾーというお寺。
モンゴル語のガイドをつけてもらいましたが、めっちゃ聞き取りにくい男の人で撃沈しました。。
でもチベット仏教の仏像や宗教画が見られて勉強になりました。
街中にある博物館。
なんと、JICAの協力のもと作られた博物館らしいです。
日本語のガイドもありますし、展示の仕方が上手い。
やっぱり、博物館のデザインにも技術があるんだなぁと感心しました。
最後に
ハラホリンの歴史はまさに、モンゴル帝国の歴史でもありました。
最盛期には世界中の人々が暮らし、イスラム教徒も暮らしていたそう。
かなりレベルの高い国際都市だったそうです。
そうした歴史を知ることで、現代にも生かせる部分が絶対あるはずだと思います。
モンゴル紀行:ハラホリン vol.2
前回の続き…
オルホン滝
遊牧民のゲルに宿泊して朝。
草原の朝は清々しいです。
朝食も遊牧民のお宅でいただきました。
ミルクやそれを加工したものと、小麦を使って作った簡単なもので食事を済ませます。
遊牧民のゲルから車で30分くらいで観光スポット「オルホン滝 Орхоны хүрхрээ」に到着しました。
モンゴルでは最大の滝だそうです。
が!降水量が少なく、水の量もかなり少なめです。
ちなみに本当ならば…
これくらいになるみたい。
(参考画像)
乗馬トレッキング
さて、ここまでは「地球の歩き○」にも書いてある観光地ですが、ハラホリンといったらナイマンノール(8つの湖という意味)の乗馬トレッキングです。
旅行の予約をするときにもモンゴル人から「かなり距離があるけど大丈夫?」と言われましたが、せっかくなので頑張って行きました。
まず、公園の入り口(滝から乗馬で2,3時間ほど)
この時点でかなり素晴らしい雄大な自然を満喫できます。
が!!
ここからさらに山へ向かって進んで行きます。
道無き道も馬で進んで行きます。
こんな手付かずの自然の中を乗馬で行くなんて、なんて贅沢な!!
しかし、もう長時間の乗馬と険しい山道で体は疲労困憊です。。
でも、まだ1つ目の湖に着かない。
乗馬開始から6,7時間ほどでやっと1つ目の湖に到着です。
やっと着いたか。。
というのが正直な感想(笑
でも、この自然しかない空間。本当に素晴らしいです。
この後、さらに3,4時間かけて奥に行き湖を合計3つ見てgive up。。
遊牧民が「あともうちょっとでもう1つの湖に到着するのに〜」と言っていましたが、体が持ちません…
これが最後見た湖。
湖自体はそれほどでも…(笑
その日はどこに泊まるのかを聞くと…
遊牧民「近くの遊牧民の家に泊まらせてもらおう」
自分「え?お願いしてあるの?」
遊牧民「いや、行って聞いてみる」
自分「ダメだったら?」
遊牧民「他を探そう 笑」
そして、近くに住んでいる遊牧民のゲルに行ってみると…
あっさりOK!
ん〜これが遊牧民文化なのか。
日本でも最近、民泊云々言われていますが、モンゴルにはもっとラフな民泊が存在していました。
その日は泥のように眠り。
次の日の朝、朝食を頂いて元のゲルに帰ります。
モンゴルのゲルの軽食は大体こんなもの。
真ん中にあるクレープみたいなものは、ミルクの湯葉のような食べ物「ウルム」と言っていました。味は、生クリームのような濃厚な味です。
最後の草原では馬がいきなり全速力で走り始めて焦りました。
手綱を引いても全然止まらない!!
まるで、ブレーキのない自転車で坂を下るような感覚でした。
でも、手綱を左にグイッと引っ張り左に旋回してなんとか止まりました。。
落馬しなくてよかった(ホッ
2日間合計で18時間ほどの乗馬トレッキング。
怪我なく終われてよかったです。
自然の民
ゲルに帰るとお母さんがホーショールを作ってくれました。
揚げたては美味しい!
そして1日目と違って、距離も縮まったような気がしました。
「乗馬は大変だったでしょ?」
「どこまで行ったの?」
「頑張ったわね!!」
子供たちとも距離が縮まり、一緒に遊んだり、家畜の世話をしたりしました。
子供と遊んでいると、家畜の世話をしているお母さんから
「仕事しなさい!!」とお叱りの言葉が…
子供は渋々ながら薪を運んだり、子牛の世話をしていました。
2歳の男の子もお姉さんと一緒に牛乳の入った缶を運んでいました。
そして、粗方仕事が終わると空の様子が急に変わり、嵐になりました。
嵐が来ることを知っていて大人たちは急いで仕事をしていたのだろうか。
その後も色々な話を聞くことができました。
・季節ごとに住居を移動すること。
・冬は気温がマイナスになるけれど、寝るときはデールを着込んで寝ること。
・親戚とは近くに住んでいてお互い助け合って暮らしていること。
最後に
ゲルという空間はストーブを中心に家族が円になってスーティツァイを飲み、語らう。そんな空間でした。
日本では道徳で、生命尊重、家族愛、自主自立、勤勉、自然愛…
そんな徳目を学びますが、モンゴルの遊牧民の生活ではそれが日常に溢れていました。
何百年と変わらない生活。人間本来の生き方は、こんな生活なのかもと考えさせられた数日間でした。