モンゴル紀行:はじめての乗馬
「モンゴルに行ったら馬に乗れるんでしょ?」
と言われ、日本を旅立ってからもうすぐ1年。
やっと、乗馬することが出来ました。
誤解を恐れずに言うと…
馬に乗っている人よりも、プリウスに乗っている人の方が多い!
遊牧民以外が外で馬を乗れるのは夏の間だけ!
ちゃんと人を乗せるための馬じゃないと絶対落馬する!
そんなこんなで、今回は観光隊員の紹介で日本人の女性:千夏さんが経営している会社にお願いして、1泊2日の乗馬教室へ行ってきました。
青々した草原
今回お願いして行った場所は、首都のウランバートルからテレルジ(国立自然公園?)へ行く途中にある場所です。
首都から約1時間くらいで行けます。送迎もしてくれます。
(ピンクのワゴン車は、”あいのり”で使っていたあのワゴンらしいです)
見渡す限り、草原!!
のはずが、なんか全体的に茶色い…
例年に比べてこの時期に雨が降らないのと、バッタが大量発生して草の汁を吸ってしまっているそうで、こんな状態に。
「思いっきり雨がドバッーと降ってくれたら…」
自然頼み、神頼み…
人の力では如何ともし難い自然の中で生きると言うことを感じました。
乗馬って思ったよりも難しい
千夏さんから、簡単に乗馬のことについて説明を受けます。
「馬は中学生男子みたいな生き物」
「馬とシンクロすることがコツ」
「落ちる時は、左から」
…etc
遊牧民のアセンベィさんに先導してもらって、草原をゆっくり歩きます。
にしても、自分一人で馬に乗るってとても緊張しました。
途中、袋のゴミが馬の前に飛んできたり、砂が巻き上がったりして、馬がビックリして駆け出したりしましがら、グッと手綱を引いてなんとかなりました。
「手綱は馬に意志を伝える糸電話のようなもの」
手綱を持つ手にも力が入ります。
縦列隊形も上手くできるようになってきました。
「馬に乗っている時は、どこにどう行きたいか?をイメージすることが大事」
自分が思っていることが馬に伝わり、思ったように行けた時は思わずニヤリとしてしまいます。これが馬とシンクロするということかな?
お昼は羊肉のホルホグというモンゴル料理
臭みも少なく、とても美味しくいただきました。
1日目は4時間程、乗馬をして終了。
次の日に予定がある人たちは、帰って行きました。
乗馬でトレッキング
2日目はテレルジまで乗馬でトレッキングです。
朝は牛乳をもらいに、近くの遊牧民のところへ行きました。
家畜たちも草が育っていないので、大変そうです。
何とか雨が降らないものか…
遊牧民の夫婦も嘆いていました。
ホーショールのお弁当を作ってもらい、テレルジへ出発です。
昨日乗った馬とはまた別の馬です。
「いろいろな馬に乗ってみることが大事」
馬によって性格が違って、それを感じ取りながら自分の乗馬技術を高めていくのが大事なんでしょうね。
所々で休憩しながらテレルジを目指します。
川の近くはこのように緑があります。
水って大事だなぁと改めて思います。
雨が降ったら、この辺ももっと綺麗になるんでしょう。
日本では自然に携わる仕事をしている人以外、雨は「傘を持って出かけるか?」「予定していたイベントはできるか?」くらいのものでしかないけれども、生命にとって本当大事なものだと改めて感じさせてくれます。
こんな感じの山あいを馬で歩いて行きます。
そして、目的地に到着
結構の坂でしたが、よく登ってくれました。ありがとう!
頂上からテレルジ公園の方を望みます。
いやぁ遠くまで来たものだと思います。
行きと帰りを含めて、6,7時間程度乗馬しました。
無事にゲルキャンプに戻って来た時には、膝も足首もガクガクでした。
でも、マラソンを完走しきった時のような達成感がありとても満足です。
最後に
乗馬は実際にやってみると、かなり奥の深いものだなと感じました。
なんて言ったって、馬という生き物に自分の意思を使える訳ですからね。
帰り際にお世話になった千夏さんが近くの山を指して「あの山は水神様の山で、その麓に畑なんか作るから雨が降らないのね」という話を聞いて司馬遼太郎「街道をゆく モンゴル紀行」の一節を思い出した。
〜遊牧民族というのは、モンゴルであれイランであれアラビアであれ、商業民族や農業民族にくらべて、伝統として民族的自尊心がつよい…土の上を這いずりまわっている汚らしい耕作民を、遊牧者が馬上ゆたかに見おろしている光景を想像すれば、かれらの気分がほぼ察せられるであろう。
モンゴル人が耕作をきらったのは、基本的にそういう理由もあったし、それにラマ教が入ってから土を掘ることそのものが宗教的禁忌になった。土を掘るとその中にいる虫を殺す。悪業になる。悪業があれば悪く転生してしまう、だからいけないというのである。
さらには、農業をやれば民族が滅亡するかもしれないという潜在的な恐怖心が強かったー証拠がないがーに相違ないと私は思っている。〜
今回お世話になりました
モンゴルの地球の歩き方は、本当うっす〜いです。
今回お世話になったのは、モンゴルホライズンの山本さんです。
モンゴルに在住ウン十年とても何でも知っていますので、モンゴルで旅行をしたい時には是非ご相談することをオススメします。
https://www.facebook.com/Mongol-Horizon-488832654575522/
その国の楽しみ方を知っている人を見つけることが、旅を楽しむコツだと思います。
モンゴル紀行:サインシャンダ vol.2
前回の続き。
サインシャンダ編が続きます。
サインシャンダのグルメ事情
サインシャンダはホーショールが美味い!
という評判がモンゴル隊員の中で言われています。
実際に食べにいってみると、確かに美味い!
揚げたてだということや、ラクダの肉を使っているからなのか?
それとも、今まで食べていたホーショールが不味すぎたのか…
とにかく、シャンダに来たらホーショールを食べることをオススメします。
(チョイバルのお店でも揚げたてを出してくれないかなぁ…)
そして、シャンダのお店を見て回るとなんと!!
首都でしか見たことのないSun Riceが売っていました。
これは、日本の企業が日本で生産した玄米を輸入して、モンゴルで精米している米です。つまり、日本米。思わず買って食べましたが、やっぱり全然違う。特に、冷めても美味しいということに驚きました。
砂漠の中にあるゲルキャンプ
せっかくなので、砂漠へ向かいます。
こんな道を走ること数時間。。
砂漠の中にあるゲルキャンプに到着しました。
今回宿泊するのは、自分たちだけなので本当に静かです。
夜は残念ながら、曇っていて星は見れませんでしたが、風の音がとても印象的でした。
砂漠の上をサササササッと駆け抜ける風の音や大気のうねりのようなゴゴゴゴゴッというような音…
真っ暗闇で感じる風の音は新鮮で、感動しました。
サインシャンダの観光地
サインシャンダの観光地といえば…
「ハムリン ヒード」
そのチベット仏教寺院群や遺跡、その他関連施設を見て回ります。
寺院
まずお寺の中
仏教でも色々と違うものだなぁと思います。
特に色合いや装飾は全然違いますね。日本の仏教は、何ていうか渋い!
お寺を見たら、色々とご利益がありそうな場所を巡ります。
これは、この穴の中に自分の直したいところを3回言うと直ると言う穴。
赤い色の土の上に寝転がると大地のパワーをもらえると言う場所。
ここから、電話をかけると相手にもパワーが送れると言うおまけ付き。
そこから車でしばらく走り
遺跡?
お坊さんたちが修行していたと言われている場所へ
こんな穴の中にこもって修行していたのだろうか…
悟りがひらけそうな穴の中から見る景色
この穴の中に入って、反対側から出てくると罪が全てなくなり生まれ変わると言う、なんとも便利な穴。
恐竜の化石
サインシャンダは恐竜の化石も有名らしい。
化石が見れる場所があるとのことで、いって見ました。
化石と思われるもの。
完全なる放置です(笑
こちらは木の化石といわれているもの。
転がってます。
山
モンゴル語で「黒い山」と呼ばれる場所です。
回すとお経を詠んだのと同じくらいご利益があると言う便利なもの。
山の頂上には男性しか登れません。
なんでも、山の神様は酒と女が好きな神様らしいです。
最後に
サインシャンダは砂漠とチベット仏教を感じることができる街でした。
モンゴルの自然を楽しめるのは、この短い夏の間だけ。
どれだけ回れるかわかりませんが、モンゴルの自然をたくさん感じたいと思います。
モンゴル紀行:サインシャンダ vol.1
モンゴルの学校は6月から3ヶ月間、夏休みです。
ということは、自分の活動も夏休みなのです。
敬愛する司馬遼太郎氏はモンゴルをとても愛していたそうで、街道を行くシリーズで「モンゴル紀行」があります。
それにあやかり、夏のモンゴル国内について徒然なるままに書いていこうと思います。
サインシャンダという街
今回はモンゴルの南にあるサインシャンダという街です。
モンゴル隊員の中では「シャンダ」と略して言っています。
ウランバートルからは、電車で9時間30分ほどです。
ドルノゴビ県の中心都市になります。
ゴビというのは、モンゴル語で砂漠を意味します。
その通り、砂漠の街なのです。
↑駅前の様子 午後8時くらい
↑街の中
↑街の外れ
日本祭り
シャンダの隊員の配属先ではない学校で、日本祭りがあるということで見に行くことにしました。
日本の音楽に合わせて、踊ったり歌ったり。
日本のアニソンを歌う高校生もいて、アニメも立派な日本の文化として認知されています。
簡単な日本の文化を紹介するスペースもありました。
シャンダの隊員たちも手伝います。
むしろ、懐かしいと感じてしまう日本の遊び。
この学校では外国語の1つとして日本語も選択できるようになっています。
日本語を教えているのは、日本に数年生活をしていたモンゴルの先生です。とても日本語が上手。
SAKURA NETWORKという制度を使って、関西に語学旅行のようなこともしたそうです。日本語の先生が関西に行った時「自分の故郷に戻ってきたような感じがして嬉しかった」と話していたのが印象的でした。
日本に興味を持ってくれることは、本当に嬉しいことです。
日本側もこうした外国人を受け入れる仕組みや体制を整えていって欲しいなと感じました。
モンゴル紀行:列車の乗り方編
待ちに待った。夏休み!!
夏休みという響き…なんて素晴らしいんだろう。
この夏休みを使って、モンゴルを色々知れたらいいなぁと思ってます。
モンゴル人も「夏は一番Гоё(最高)だ!」って言ってたし…
モンゴルの自然を満喫できるのは、この2,3ヶ月という短い夏の間だけだし…
3月には帰国してしまうから、最初で最期のモンゴルの夏休みだし…
ということで、モンゴルの旅Let's Goです。
今回は、モンゴル国内の列車について
モンゴルの公共交通事情
モンゴルの面積は日本の4倍あるので、移動するのにめちゃくちゃ時間がかかります。
そして、都市から都市までめちゃくちゃ距離があります。
自分の任地から首都まで、バスで12時間。
バスで6,7時間の任地なら「以外と近いねぇ」なんて感じてしまったり(?)
モンゴル国内の移動手段は、主に3つです。
1.飛行機
2.バス(乗用車)
3.鉄道
飛行機は、首都から主要な都市に大体あるようです。
しかし、値段が高い!
バスは、一番交通手段としては使いやすいです。
しかし、何時間もバスはキツイ!
そして、鉄道。
これは寝台列車なので、横になれる!
そして、草原の中をひたすら走ります。まさに「世界の車窓から」
しかし、駅がある都市が限られています。
なので、鉄道でいける都市ならば鉄道一択でしょう。
ちなみに、鉄道で中国やロシアに行くことも可能。
ただし、JICAは陸路でのロシア入国を禁止してるので、ロシアにはいけませんが…(残念、シベリア鉄道に乗りたかった!)
さぁ、鉄道の切符を買おう
駅に行き切符売り場に向かいます。
モンゴル語でチケットのことを「тасалбар:タサルバル」と言います。
この文字を手掛かりに売り場を探しましょう。
ウランバートル駅では、向かって左側の建物にあります。
チケット売り場の様子
窓口の上に番号がありますが、この日行った時はほぼ意味をなしていませんでした。。
整理番号券を取って、待っていたら急に窓口のお姉さんが「番号関係なく直接来て!」とキレ気味に言って、売り場で番号を待っていたモンゴル人が殺到するという事態に…
暴動が起きそうでした。
時刻表
料金表
残念ながら、英語は全く書いていないのでキリル文字を見て探すしかありません。
今回の目的地は32.Сайншандです。
列車の料金は3種類あります。
左から、①噂によると普通の席 ②個室ではないけど寝台 ③個室…
周りを気にせず、ワイワイ列車の旅を楽しみたいなら③個室がいいですね。
しかし、今回は③個室が満席だったので、②個室ではないけど寝台にしました。
そして、こんな感じの切符をGetです。
Вагон, байрын№ が、車両番号 - 席番号ですね。
今回の距離は474km(ちなみに、東京 - 大阪間は約500km)
それを9時間半かけて行きます。(ちなみに、東京 - 大阪間の新幹線は3時間40分)
発車までしばらく時間があるので、駅舎の中を散策です。
食堂もあり、食事をすることができます。
定番のホーショルやボーズも有。
待合室に自動販売機を発見!
しかも、日本の飲料水も!
しかし、この自動販売機。お釣りが出てこない自動販売機でした。。
ぴったりのお金を入れないと、自動販売機に全て吸い込まれますのでご注意を…
(ちなみに、同期隊員は吸い込まれました 笑)
必要なものを買い物して、いざ列車へ。
乗車口には係員が立っていて、チケットを渡します。
この時にチケットを一旦回収されてしまうので、自分の席番号を覚えておきましょう。
車内はこんな感じ。
こんな感じのボックス席です。
予定の時刻を少しすぎたくらいで、何の合図もなく列車がゴトンと動き始めます。
車内の係員がシーツとお湯の入ったコップとお茶を持って来てくれました。
ちなみに、このお茶サービスは切符を買う際に断ることもできるそう。(後から知った)
また、車内にはお湯のセルフサービスがあるので、お湯は使いたい放題です。
車内販売もたま〜におばちゃんがワゴンを持って来てくれるので、買いたければチャンスを逃さず買ってみるのもいいでしょう。
あとは、ひたすら時間を潰します。
車窓の景色を眺めならが、あることに気づいてしまいました。
ほぼ景色が変わらないということに…
そして、やっと到着!!
バス移動もそうですが、昼間の移動は時間がとても長く感じます。
夜行でいけるならば、夜行が断然いいですね。
(残念ながら、Сайншанд行きの列車のもう1本は現地に夜中2時に着くのしかないので、今回は諦めました)
まぁでも、バス移動よりは絶対楽。
それは確実に言えることかと思いました。
ドルノド県マラソン大会
先日、ランバートルでは国際マラソンが開催されたそうです。
「あぁ、参加したかったなぁ」
と思っていたら、学校の体育の先生から
「明日、10時からこの街でマラソン大会があるから出ないか?」
と言われたので、二つ返事でOKしました。
でも…
(こんなモンゴルの東端にある街でマラソン大会?)
(身内の少人数で走るだけかなぁ)
と思っていましたが。
甘くみていました!ドルノド県の底力を見ましたよ!
任地の同期隊員と時間を合わせて集合場所へ向かうと!!
こんなに人が!
しかも、職場でまとまって出ている感じもあって和気あいあい。大会の雰囲気を盛り上げます。
「ドルノド マラソン 2017」
市民マラソンですね。
道路も車が通らないように、交通規制。
学校の先生から「アキは18歳以上の部門で走るんだ」
と色々話していると…
なんと、男子18歳以上部スタート!!
先生から「今だ!走るんだ!」
と、最下位からのスタートです。
勢いよく走るこの感じ!
久しぶりにマラソン大会の雰囲気が楽しいですね。
モンゴル人の走り方は、バーっと走って、歩くというスタイル。
ん〜モンゴル人ぽいなぁと感じならが完走。
女子の部
小学生の部
マラソン大会って、運営とか大変だけれども街がお祭りムードになるっていうか、シンプルだけどいいなぁって感じました。
日本に帰国したら、また色々な大会に出たいなと思いました。