モンゴルってどんなとこ?

青年海外協力隊(JOCV)小学校教育での奮闘記

11月 活動記録【нэг ба тэгээр үржүүлэх イチとゼロをかけよう】

2学期はじめの2週間は、2年生に入ります。

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なんとな〜く2年生の教室に入って授業を参観してましたが…

(いやいや、これじゃダメだ。。)

2年生の先生たちと何をするかしっかりと計画を立てていない。

こっちも、あっちも待ちの姿勢ではダメだ。。

 

ということで、放課後時間をとってもらい今後の打ち合わせをしました。(ほんと、先生たちは忙しそう。時間をとってもらうことに気がひける位です。その忙しさは後々分かることになるのですが…)

 

打ち合わせをした結果:

1.1週目は自分が算数の授業計画を考え、それを2年生の先生達が行う。

2.1日に2つの教室へ入り(全部で6クラスあります)アドバイス等々を行う。

 

…と、とりあえずここまで。

「もう大丈夫?じゃあね!」と先生達は仕事に戻りました。

 

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任された単元は1や0のかけ算。

 

今回も、なかなかの内容で、モンゴルの教科書!!

日本でもかけ算は2年生で学習しますが、0のかけ算は3年生で学習します。それは、0をかけるという概念が難しいからだと思います。そもそも、0をかけるって…

だから、日本では3年生で扱うんだと思います。

そして、しれっと数直線が書いてあるところが、にくいですね(笑

 

さてさて、授業を考えますが、この授業を考える時間はなんともクリエイティブな時間で結構好きです。

(こうやったら、子供はどんな反応をするだろう?どんな思考を働かせるだろう?)と考えるのはなかなか面白いです。まぁ、だいたいその想像通りにならないのが現実ですが…

 

今回は、2年生ということもあり、とにかく遊びを授業に入れたいなぁ…

ということで、「輪投げ」です。

これは、教科書にも絵では載っているのです。こうした教科書に載っている問題を実際にやってみるだけでも、全然違うだろう、と。

 

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本当に簡単に(笑 

でも、意外と大事。教材に時間をかけないから、継続してできる。

輪は、セロテープみたいなのを輪っかにしただけ。

的は、何でもよし(笑

 

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楽しんでやってましたね。

 

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こんな風にした先生もいました。簡易バスケ!すごっ!

 

さて、どんな授業かというと【点数を計算する活動】です。

点数(1点)×入った回数=合計点

というもの。

つまり、入らなかったら1×0=0 0点

って感じで、0のかけ算を行う。

ついでに、1のかけ算もやっちゃうっていう。

 

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点数だけではなく、個数の概念も教科書に出てきているので、こうした絵を使って…

でも、日本とは式の立て方が違って、どうしても違和感を感じてしまう。

 

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教科書では、ダーツになっている部分は…

 

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教室にある物を使って(何のボーとかは分かりませんが 笑)

教材研究を先生達と行っていきます。

実際に、やってみると「難しい!」ってなったり、子供達の反応を予想したりと…

教材研究の楽しさを改めて実感。

 

でも、やっぱり思ってるような授業とはちょっと違うんだよな。

言葉の問題で詳細を伝えられない、隔靴掻痒の感。。

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11月 活動記録【арга чарга 工夫】

2週間隔で、1つの学年に入ることにして、2学期が始まりました。

2年生の教室にまずは、入って授業を見学します。

色々なарга чарга(アラガ チャラガ:工夫)があって、改めてモンゴルの先生たちの熱心さに驚きます。

 

日本ではおなじみの声のものさし

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低学年ではおなじみの時計の掲示

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学習内容を示す黒板掲示

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全て、視覚的にうったえる工夫がされていてとても良いですね。

でも、まだまだこうした掲示を使いきれていない感があって、とても勿体無い。日頃からの繰り返し指導が必要です。

また、1つの教室だけで学年全体に浸透していない。ぜひ全ての教室で取り入れて欲しい。そういう部分も、改善できたらいいなと思うことの1つです。

 

また、こんな教具の工夫も!!

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ラミネートを使った簡易ホワイトボード。ちゃんと、マスも印刷されていて細かい配慮が素晴らしいです。

日本でも、よく使われる方法ですが、それがモンゴルでも見られるとは驚きでした。

そして、うまく使いこなしている。

 

これは、算数の復習場面

算数の授業始めに、ちょっとした復習の時間を入れることはとても有効です。

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こうして、上に掲げることによって、全員に個人的な責任が生じるし、書いたか書いていないかが一目でわかります。

 

はやく問題を解き終わった子供には、このような紙を渡して書かせます。

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何のためかというと…

 

黒板に貼って、説明させるのに使っていました。

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子供に黒板に直接書かせると、チョークや垂直な黒板に書くことに慣れていないので意外と大変なことなんですね。これなら、それほど抵抗なく書くことができます。

 

また、黒板の掲示物もクリアファイルに印刷物を入れることによって、中身を入れ替えるだけで何度も使えるし、ホワイトボード用のペンで何度も書き込めます。

素晴らしい!!

 

子供がストレスなくのびのびと学ぶためには、環境を整えてあげることが非常に大切です。でもそれは、ただでさえ忙しい教師の仕事を増やすことにもなるわけで、この教室環境は担任によって差が出てしまいます。ただ、良いものはやっぱり良いんですよね〜

改めて、教師の仕事って限りがないなぁ…って感じます。

 

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11月 活動記録【Ⅱулирал 2オリラル】

1学期が11月2日に終わり1週間ほど秋休みがありました。

でも、「先生たちは、休み無しの仕事よ!」と…

休みを期待していただけにガックリ。。

でもCP(カウンターパート:活動上の同僚)に

「仕事があるのはわかった。家にいるから必要だったら、電話で呼び出して〜」と交渉したらあっさりOK! 

教訓1:しっかり思っていることを言葉にすることは大事。

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この際ということで、今まで考えていたことをCPに提案します。

1.1学期中教室の授業を見学してきたけれど、先生たちはよく研究もしているし、授業もできている。

2.日本で自分が大事にしてきた、授業技術(指導技術)をプレゼンしたい。

2.2学期以降の計画を2週間おきで各学年に入っていきたい。

3.1週間目は、授業を見学したり、授業計画を提案したりする。

4.2週間目は、担任の先生と一緒に自分が主体となって授業をしていきたい。

5.日本の授業風景を紹介するプレゼンを定期的に行なっていきたい。

 

これらを紙にまとめて見せたところ、あっさりOK!

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そして、2つ目のプレゼンに関しては「明日やって」とこれまた急に…

(自分の準備はできていたので良かったですが、先生たちは大丈夫なのだろうか…と毎回心配になってしまいます)

 

何はともあれ、何とか自分の中で見通し的なものをもつことができました。

教訓2:見通しのない不安があるなら、自分で見通しを作ってしまえ!

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Ⅱ улирал(2オリラル:2学期)からは、2年生の学年の先生たちと授業を考えていきます。

家の近くの池もすっかり凍って、池の面影がありません。

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10月 活動記録【сум ソム】

特にすることもなく、教育書や理論書を読み漁る日々。

いずれ使う時が来るだろうと、諦めてそうした知識を詰め込むようにしていた。

そんな日の午後

 

5年生の担任の先生に「いま時間ある?算数の授業を一緒に考えて欲しいんだけど」と

 

話を聞くと、明日сум(ソム:村)の学校へ行って飛び込み授業をするらしい。

しかも、それを言われたのが今日という無茶っぷり。モンゴルでは、よくある光景です。

 

早速教材研究から始めて、板書計画、模擬授業までやって終わったのは19時でした。

そして「アキも一緒に来て!」と言われたので行くことに。

 

次の日

6時30分に出発するからと言われ、6時25分に行くと予想通り誰もいない。

パラパラと集まって来たと思ったら、バスが来ず…

結局出発したのは、9時30分。

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草原の中の悪路をひたすら3時間かけてсум(ソム:村)まで行きます。

今回行く先生たちは、20人程度。そのうち、教育局の先生が2名、教頭先生が15,6人、一般の先生2人、日本人1人。

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村の学校なので、小学校〜中学校までしかありません。

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村の学校だけれども、建物はとても綺麗で、自分の活動先より…

 

学校に通う子供のほとんどが遊牧民の子供なので、寄宿舎で生活をしています。

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週末は、それぞれの親元に帰るそうです。

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バスが遅れたので、授業を始める時間も遅れましたが…

授業開始です。

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f:id:mongolia28:20161108163352j:plain自分が授業をするわけでは無いけれど、授業の流れや手立てと子供の反応が想定していたようになるかどうか…

これは、本当授業の醍醐味です。特に飛び込み授業の場合は、教師と子供たちの関係性が薄い中で、教材と発問によって授業を構成して行くので、学習計画が上手くいったかどうかが、はっきりと分かります。

ドキドキ

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今回、この授業で盛り込みたかったことは3つ

1.理科の授業でも使った、学習過程の掲示

2.子供の関心意欲を高める具体物の工夫

3.子供同士の教え合い

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今回一緒に授業を考えた先生は、自分の拙いモンゴル語を理解してくれ、授業に積極的に取り入れてくれました。ほんと感謝です。

 

今回のこの授業は、村の学校の先生たちと授業研究をすることに目的が置かれているような気がしました。なので、担任の先生たちと教育局の先生、教頭先生が後ろでメモを取りながら授業を見ています。

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授業の良かったところや改善点をメモしているのか…

とにかく、導入、展開、まとめのような授業の段階ごとにメモを取っていたような気がします。(本当、ちゃんと授業研究の仕組みができている)

 

終わった後は、授業について協議会です。

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指導案を元に、授業について突っ込んでいきます。

かなり鋭い意見も飛び出し、児童理解がしっかりできているなと感想。

今回授業で提案したかった、上記3点はなかなかの好評価でした。

 

まぁ、かなり学級がしっかり出来上がっているクラスで素直な子供が多かった点に結構救われましたが…

課題は、子供達の中での学び合いの過程を細分化することでした。

計算過程を説明させたい場面で、どうしても教師の用意している答えを子供に求めてしまう。。これを、改善する方法は

1.問題や課題をどこに設定するか

2.子供の既有知識・技能

に関わっているのではと、仮説をもっているのですが、それをモンゴル語で伝えるのが難しい…

 

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その後学校を案内してもらいました。

すると、何と日本語が…

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【整理、整頓、清潔、清掃、しつけ】と書かれた言葉と写真

いわゆる「5S」と呼ばれるものですね。

 

そして、1年生から日本語を学習しているらしくこんな教材も…

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歌も歌っているそうですが、何ぶん先生たちが日本語がわからないので、YouTubeで歌を聞いて歌詞を起こしているそう…

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その熱意に感動しました。

なので、その歌の歌詞をwordに起こしました。日本人である自分にできるささやかなお手伝いです。

 

5時近くになり(そろそろ帰るのかなぁ)と思っていると、子供たちや先生たちの出し物が始まりました。

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素晴らしい踊りや歌に、感激して…さて、帰るのかなぁと思っていたら

 

教頭先生と教育局の先生たちのプレゼンが始まりました。

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学校で進めている教育活動と今後のドルノド県の教育について(だと思う)2時間ぶっ通しのプレゼンです。

この時点でもう夜の8時…

 

やっと終わったと思ったら、校長先生から「食事を用意してますので…」

 

こうなると、出てくるのはархи(アリヒ:モンゴルウォッカ)

宴会が始まります。

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そして、今日は運が悪いことに寄宿舎には子供たちがいない…

「今日は、泊まって明日の朝帰りましょう!」なんて言い出す先生も…

(おいおい…)

そして、爆音を鳴らしながらダンスが始まったので、子供達の部屋に避難(汗

 

騒ぎたい先生たちと帰りたち先生たちとの攻防が0時近くまで行われ、結局帰ることになりました。

ほっ。

もちろん、帰りのバスの中はархи祭りになったことは言わずもがなです。

 

 

今回、初めてсум(ソム:村)に行きましたが、感想としては「思ったより過ごしやすそう」でした。

今モンゴル隊員でсумに派遣されているのは1人です。それだけ、сумは生活をする上でリスクが高いところなのでしょう。また、首都に上がるだけで大変ですし。

でも、今回行った学校では日本人を必要としていました。校長先生も「JICAはこんなсумにも派遣してくれるのかしら?2週間でもいいから、何とかして派遣してほしい」と熱望していました。

JICAの安全基準という部分と派遣需要は必ずしも一致するわけではなく、むしろそうした部分で支援が必要なところに支援されないという矛盾が生じているのでは…必要なところにちゃんと支援されているんだろうか。。

など、色々と考えさせられました。

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10月 活動記録【seminar セミナー】

前回のブログでは、多くの人からコメントをいただき、思った以上に反響がありました。やっぱり、みんな苦労してるよなぁ!勇気付けられました。

 

さて、

ドルノド県の教育局では、月1回先生たち向けにセミナーを行っています。

これは、JICAの教育隊員が主体となって行っているセミナーで先輩たちから脈絡と受け継がれているもの。

それのお手伝いです。

 

もう、日本に帰ってしまった先輩隊員が行っていた理科セミナー

日本にいる理科関係の方から、実験道具を送ってもらったので、その使い方の説明です。

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ものの重さをはかる電子秤の使い方です。

それにしても、今の電子秤は便利機能がたくさん!

 

電気回路の実験

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やっぱり、理科はこうしてものを操作しながら考えるのが楽しいですよね。でも、ものが無いという現実…

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しかし、先生たちは本当に熱心にノートをとって学ぶ姿勢がすごいです。

 

10月は別の先輩隊員が図工のセミナーを開きました。

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図工って準備が本当、大変。

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図工の道具は、この街で手に入るもので工夫していました。こうした工夫が大事なんだなぁって痛感。

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プリングルスの蓋を使ったスパッタリング用の網

 

先生たちが現場でやってくれくれるには、どうしたらいいのか?

やっぱり行き着く先はそこになりそうです。

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まぁ、それは日本でも同じなんですがね。

にしても、図工は改めて勉強すると面白い!

 

教育局では、授業に関する資料なんかもその都度配布したりしています。

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教育をなんとかしようという気持ちがあることを感じますね。

でも大事なのは、それが現場で出来るかということなんだよなぁ。

 

下の写真は10月上旬の頃

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